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Photo: @ CC 3.0 - Jacobs School of Engineering
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チェコ共和国、半導体産業強化へ

チェコ共和国は、半導体産業を強化し、台湾や日本を中心とするアジアのパートナーと協力することで、欧州におけるチップ生産でより重要な役割を果たすことを目指しています。現在、世界の半導体市場規模は年間6000億ドルであり、10年後には倍増すると予想されているため、チェコ共和国は急成長が見込まれるこの分野に投資するための戦略的措置を講じています。

最近の一連の進展は、チェコ半導体産業の成長軌道を際立たせています。たとえば、チェコ東部ロジュノフ・ポト・ラドホシュチェムにある米国企業ONsemi社による製造拡大や、台湾のパートナーとの協力による最先端半導体研究センター(ブルノ)の設立などがあります。さらに、チェコ国内での欧州半導体法(European Chip Act)施行へ向けて準備が進められており、半導体製造への取り組みが強化されています。

 

昨年設立されたチェコ国立半導体クラスターは、産業貿易省、政府、チェコ企業との協働による重要なイニシアチブとなっています。このクラスターは、半導体の部品設計から電子顕微鏡を含む半導体製造まで、半導体バリューチェーンに関する機関を統合し、半導体分野におけるチェコ共和国の地位を強化することを目的としています。また、このクラスターは、欧州半導体法の目標に沿って、学術機関と産業パートナーとの連携を推進しています。

 

チェコ国立半導体クラスターの注目すべきメンバーには、ONsemi、NXP Rožnov、ST Micro Praha、Codasip Brnoなどの有力企業や、チェコ工科大学(ČVUT)、ブルノ工科大学(BUT)などの学術機関が含まれます。これらの機関の協力体制のもと、チェコ共和国のオプトエレクトロニクス(光電子工学)やフォトリソグラフィーの専門知識を活用し、半導体製造のフロントエンドおよびバックエンドの両工程に参画することで、半導体産業におけるチェコ共和国の位置づけをさらに強固なものにしようとすることを目指しています。

 

とりわけ近年の半導体不足によって浮き彫りになったグローバルサプライチェーンの脆弱性に対処するEUの積極的な姿勢は、欧州半導体法の起草とその承認を促しました。この法律は、研究開発の強化、半導体設計のリノヴェーションの強化、製造能力の強化といった目的を強調し、半導体部門における科学、研究、人材育成への投資拡大を促進するものです。

 

チェコ共和国にとって、欧州半導体法は、研究開発への支援強化、半導体に関する労働力の技能開発、半導体産業への投資の魅力向上を促進する。欧州半導体法の一部である「欧州のための半導体イニシアチブ(Chips for Europe Iniciative)が官民投資を大々的に刺激するであろうことが予想されており、チェコ共和国はこの勢いに乗ることとなるでしょう。チェコ共和国の半導体戦略は、チェコ半導体産業における高い潜在力を有する分野を特定し、この潜在力を最大化するための方法を提案するものです。また、この戦略は、チェコ共和国の半導体産業の成長を促すために、卓越した労働力を育成していくことの重要性を強調します。

 

欧州半導体法に連なる国家半導体戦略の内容は、来年上半期に産業貿易省によって最終決定される予定です。

 

チェコ共和国は、欧州半導体法および国家半導体戦略に沿って、半導体産業強化のための積極的な取り組みを行っており、欧州の半導体製造においてチェコ共和国が重要な役割を果たすべく一貫した戦略的アプローチを打ち出します。産学連携、戦略的投資、人材育成を包含する包括的アプローチは、チェコ共和国が半導体分野で大きく前進するよう方向づけていくものです。この方向性を追求していくためには、日本や台湾のような目標を共有するパートナーとの協力が極めて重要になります。

 

こちらで半導体産業に関するチェコ企業の取り組みをご覧いただけます。