チェコホップのプロモーションイベントを堺市にて開催
27.05.2022 / 22:52 | Aktualizováno: 31.05.2022 / 23:03
(This article expired 30.06.2024 / 05:54.)
駐日チェコ共和国大使館はチェコ共和国農業省、在堺チェコ共和国名誉領事館、チェコホップ生産者団体と協同し、ホップ研究所、Pioneer Beer Brewery、サントリービール株式会社のご協力のもと、関西圏の中小ブルワリーを対象としたチェコホップの紹介セミナーを大阪府堺市のホテルアゴーラリージェンシー大阪堺にて開催しました。
このセミナーは2019年6月に実施された経済外交プロジェクトに連なるもので、渡航制限により外国人の入国が叶わなかった二年間の中断期間を経てからは初の「ライブ」イベントとなりました。イベントにはチェコ共和国農業省、チェコホップ生産者団体、ホップ商社EATより代表者らも対面で参加しました。
開会式にて在堺チェコ共和国名誉領事の葛村和正氏とチェコ共和国農業省代表のヤン・ホルプ氏が来場者に歓迎の挨拶を述べると、続くチェコ共和国に関する講演ではイレナ・レオポルドヴァー農務担当官がチェコの農業及び食品産業、国際貿易について発表しました。その後はチェコにおけるホップの伝統と栽培、ビール醸造に関するビデオが日本語字幕付きで放映され、専門的な内容の講演へと続きました。はじめにチェコホップ生産者団体代表のズデニェク・ロサ氏が登壇し、チェコ共和国で長く続くホップ栽培の伝統やホップの栽培法、その独自性について紹介しました。サントリービール株式会社からはビール生産部の秀島誠吾氏が登壇され、自社製品の「ザ・プレミアム・モルツ」(チェコ産のホップと麦芽を使用したピルスナースタイルのビール)の開発等について講演しました。
全般的な話の後にホップ研究所の実験醸造所長ヤン・ヘルヴェルト氏とPioneer Beer Breweryの醸造家ミハル・ハヴルダ氏がチェコからオンラインで講演を行い、日本の醸造家たちにチェコホップの種類ごとの違いや醸造時のビールの種類に合わせたホップの使用法について詳細に説明しました。
プログラムの中ではPilsner Urquell、Velké Popovice、Rodinný pivovar Zichovec、Pioneer Beer Žatecといったチェコのブルワリーで醸造され、チェコホップの複数品種が使用されているビールの試飲も実施されました。これらのビールは今回のセミナーにあわせてチェコから直接取り寄せたものです。
最後の質疑応答では、クラフトビールの醸造について講演者の知見が共有されました。会場には講演で言及された品種のホップが展示されたほか、そのサンプルがチェコビールのパンフレットやチェコ企業の販促品とともに来場者に配布されました。
このマーケティングイベントに続く形で、2022年8月末から9月の初めにかけ、日本のビール醸造家を対象としたチェコへのプレスツアーが予定されています。
現在チェコ共和国は、アメリカとドイツに次ぐ世界第三位のホップ生産国です。その生産量の半分以上は海外に輸出されていますが、とりわけ重要な輸入国が日本です(日本で初めてチェコホップを輸入したのはキリンビール株式会社で、1907年のことでした)。日本の大手ビール会社であるアサヒビール株式会社、キリンビール株式会社、サッポロビール株式会社そしてサントリービール株式会社は世界最大のチェコホップの買い手と言え、収穫量の三割から四割を購入していますが、取り扱い品種はザーツ種に限られていました。しかし近年は他品種のホップを使用した限定ビールも上記企業から販売されており、様々な品種のチェコホップを日本市場に普及させる好機となっています。